C型肝炎(ウイルス性肝炎):近年ようやく感染防止が可能に
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C型肝炎(ウイルス性肝炎):近年ようやく感染防止が可能に
ごく最近まで、C型肝炎は謎の肝炎でした。しかしながら、C型肝炎ウイルスの発見で感染の防止が可能となり、輸血や血液製剤による感染は減少しています。
輸血による肝炎はほとんどがC型肝炎だった
血液感染(注射や輸血、歯科治療といった医療行為の他、外傷による出血が目など粘膜に触れるなどの感染)をするB型肝炎ウイルスが発見されたとき、これで輸血による肝炎(カンエン)は無くなると思われました。しかしながら、B型肝炎ウイルスに感染している血液をふるい分けても、輸血による肝炎はあまり減りませんでした。そのため、B型肝炎以外にも血液を介して感染するウイルスが存在することがわかったわけです。そのウイルスは、A型でもB型でもないことから、「非A非B型肝炎ウイルス」と呼ばれていました。C型肝炎ウイルスは、1988年にアメリカのカイロン社によって発見されたものですが、それまで「非A非B型ウイルス」とされていたものの大部分は、このC型肝炎ウイルスであることがようやく判明したのです。
- 【参考】「血液製剤」とは
:血液中に含まれているたんぱく質(アルブミン、グロプリン)を抽出・精製して作るもので、アルブミン製剤やグロブリン製剤などのことを指しています。
- 【参考】「A型肝炎ウイルス」とは
:A型肝炎ウイルス(HAV:hepatitis A virus)は小さな球形のウイルスで、直径は約30ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)。小児麻痺(マヒ)を起こすポリオウイルスと同じ仲間で、ともにRNA(リボ核酸)ウイルスです。「A型肝炎(ウイルス性肝炎)」
- 【参考】「B型肝炎ウイルス」とは
:B型肝炎ウイルス(HBV:Hepatitis B Virus)は、直径約40ナノメートルの球形ウイルスです(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)。外側の表面部分はHBs抗原、芯にあたる部分はHBc抗原とHBe抗原という二重惰造になっているのが特徴です。「B型肝炎(ウイルス性肝炎)」
C型肝炎(ウイルス性肝炎)の特徴と原因
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV:hepatitis C virus)に感染することによって起こります。このC型肝炎ウイルスは、以前から存在はわかっていながら実態がなかなか実態をつかめなかったもので、従前は「非A非B型肝炎」と呼ばれていました。C型肝炎ウイルスは、近年になって、A型でもB型でもないウイルスの中から発見されたものです。
C型肝炎ウイルスは、B型と同様に、血液感染(注射や輸血、歯科治療といった医療行為の他、外傷による出血が目など粘膜に触れるなどの感染)します。しかしながら、このウイルスの感染力はB型肝炎ウイルスより弱いので、母子感染や性交などからの感染は少なく、ほとんどは輸血によるものです。「輸血後肝炎」は、肝炎ウイルスに感染している血液を輸血して起こる肝炎(カンエン)ですが、この輸血後肝炎の約95パーセントをC型肝炎が占めていました。しかしながら、輸血用血液のC型肝炎ウイルスのチェックが行われるようになって以来、輸血による感染は減少してきております。
- 【参考】「母子感染(垂直感染)」とは
:ご周知のとおり出産に出血はつきものなのですが、生まれる際に、赤ちゃんが通る産道で母親の血液に触れるごとによってウイルスに感染することを『母子感染』いと言います。感染者が親から子へと『タテ』に広がっていくことから、「垂直感染(スイチョクカンセン)」と呼ばれることもあります。
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