C型肝炎の感染原因・経路:感染力が弱く日常生活では感染しない
- 肝臓病の種類と原因と治療法
C型肝炎の感染原因・経路:感染力が弱く日常生活では感染しない
C型肝炎ウイルスは、主に輸血や血液製剤によって感染します。日本においては、研究統計データによれば、ごく最近までは、輸血による肝炎(カンエン)の約95パーセントがC型肝炎だったのです。しかしながら、今現在では、輸血用血液は厳しくチェックされているため、輸血による肝炎は大幅に減少しています。
そして、輸血以外の感染経路には、ハリ治療や麻薬のまわし打ち、入れ墨などが挙げられます。予防接種の際に感染するケースもありますが、現在は注射針が「使い捨て」になっているので、感染することはまずありません。ハリ治療の場合も、針を消毒することで予防できます。
こうしたことに加えて、C型肝炎ウイルスは感染力が比較的弱いので、単に血液に触れたぐらいでは感染しません。母子感染やセックスによる感染もきわめて少なく、日常生活でうつることはほとんど無いと言って良いでしょう。
- 【参考】「DNA(デオキシリボ核酸)」と「RNA(リボ核酸)」とは
:ウイルスの構造はいたって単純で、子孫を残すための情報だけを備えているのが特徴です。侵入した細胞の中では、その情報に基づいて繁殖します。子孫を残すための情報、つまり遺伝子には、「DNA(デオキシリボ核酸)」で構成しているものと、「RNA(リボ核酸)」で構成しているものの2種類があります。生物はすべてタンパク質でできていますから、繁殖するには新たなタンパク質を合成しなければいけません。その際には、どんなアミノ酸を使って、どんなタンパク質を作るかという情報は、通常、DNAからRNAに転写されて伝えられます。しかしながら、なかには最初からRNAに情報を保存して繁殖しているものもあり、C型肝炎ウイルスもその一つなのです。そのほか、A型やD型肝炎ウイルスもこれに該当しており、全てまとめて「RNAウイルス」と呼ばれます。なお、B型肝炎ウイルスは、DNAウイルスです。
- 【参考】「母子感染(垂直感染)」とは
:ご周知のとおり出産に出血はつきものなのですが、生まれる際に、赤ちゃんが通る産道で母親の血液に触れるごとによってウイルスに感染することを『母子感染』いと言います。感染者が親から子へと『タテ』に広がっていくことから、「垂直感染(スイチョクカンセン)」と呼ばれることもあります。
C型肝炎の特徴:治りにくく慢性化しやすい
A型肝炎やB型肝炎とは異なり、C型肝炎の場合には、成人になってから感染しても治癒(チユ)しにくく、慢性化(急激な症状の変化ではなく、症状が長引く状態)する傾向があります。その頻度はかなり高く、C型急性肝炎になった患者さんの約6〜8割が慢性に移行しています。
こうしたことに加えて、ほかの肝炎(カンエン)と比べて、症状が軽いのもC型肝炎の特徴で、発症しても患者さんご自身が気づかないことが少なくありません。そのために、肝炎の自覚がないまま治癒(チユ)していたり、検診などで慢性肝炎として見つかることがよくあります。
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