アルコール性肝障害の各種の病気：脂肪肝・肝線維症・肝炎・肝硬変

- 肝臓病の種類と原因と治療法

 

アルコール性肝障害の各種の病気：脂肪肝・肝線維症・肝炎・肝硬変

 

• アルコール性脂肪肝
  ：長期間にわたって大量の飲酒で、肝臓（カンゾウ）に脂肪（中性脂肪）がたまり、肝機能が悪化すると「アルコール性脂肪肝」となるのです。中程度の飲酒家によく見られる病気であり、無症状の患者さんがほとんどです。アルコール性肝障害の中では最も軽い病気で、早期のうちに禁酒をすれば治癒（チユ）するのも比較的容易な病気です。「参照ページ≫アルコール性脂肪肝」

• アルコール性肝線維症
  ：肝細胞の周囲に、細い線維がスジのように増えてくるもので、アルコール性脂肪肝がさらに進行した状態です。この場合も禁酒をすれば治りますが、飲み続けると急激に悪化して「肝硬変（カンコウヘン）」に進むこともあります。「参照ページ≫アルコール性肝線維症」

• アルコール性肝炎
  ：日ごろから酒を飲み続けてきた人が、何日間か集中して大量の酒を飲んだ後に発病する病気です。アルコール性肝障害の中では最も重大な病気です。肝細胞が広い範囲にわたって壊死（エシ）してしまうため、急性肝不全から死に至る場合も稀（マレ）ではありません。「参照ページ≫アルコール性肝炎」

アルコール性肝硬変：最終的にたどりつく重病

　大量の飲酒を長期間にわたって続けていると、最終的には「アルコール性肝硬変」になることもあります。肝硬変（カンコウヘン）という病気は、その名のとおり肝臓（カンゾウ）が硬く変化して、正常に機能しなくなる非常に怖い病気です。ウイルスなど、ほかの原因で起こる肝硬変と症状は変わりませんが、アルコール性の場合は皮膚の病変（クモ状血管腫、手掌紅斑［シュショウコウハン］など）が目立つほか、顔面の毛細血管が拡張するために皮膚が赤みを帯びて、いわゆる「酒焼け」が見られることもあります。病気の経過は、アルコール性以外の肝硬変と大きな差はありません。しかしながら、アルコール性肝硬変は飲酒（深酒）が原因で起こる病気ですから、初期のうちに禁酒をすれば大事には至らないので、キチンと知識を身につけて早期に対応してください。「参照ページ≫アルコール性肝硬変」

女性は男性よりアルコールの悪影響を受けやすい

　アルコールによる肝障害は、かつて日本においては、中年以上の男性に多くみられましたが、近年の日本においては、40歳以下の若い方々にも多くなっています。また、女性の社会進出に伴って、近年の日本においても、女性の間にも、アルコールで肝障害を起こす人が増えています。一般的に言って、女性は、男性よりも比較的アルコールの害を受けやすく、男性の半分の酒量で肝硬変（カンコウヘン）になるといわれています。女性の場合、２〜３合の酒でも毎日飲めば危険になるということです。そのことをよく承知しておき、飲むときは１日１合以下に抑えることが大切です。

• 【参考】「アメリカを悩ませるアルコール中毒」について
  ：アメリカ合衆国においては、肝硬変（カンコウヘン）の患者さんの多くはアルコールに起因しています。アルコール中毒の患者さんは1,500〜2,000万人にも上るといわれており、アルコールが及ぼす悪影響は社会的な問題になっています。しかしながらその一方で、適量の酒を飲んでいる人は、まったく飲まない人や飲みすぎの人よりも、心血管疾患による死亡率が低いといいう研究報告もあります。こうした現象は、飲酒による善玉コレステロール（HDL）の増加や、血小板（出血が起こった際に固まり、血管の破れた部分を塞いで出血を止める機能をする）の凝集能の低下などによる保護作用の結果と考えられています。それでは、適量の飲酒というのはどれくらいかというと、一般的に言って男性の場合はワンドリンク、女性は男性の半分のワンドリンクまでと言われています。ちなみにワンドリンクは、ビール350ミリリットル１本、またはワイン150ミリリットル、ウイスキー44ミリリットルで、アルコールは14グラムを指します。しかしながら、いくら適量の飲酒が体によいからといっても、アメリカでも飲酒を勧めることはありません。やはり、アルコール中毒は非常に恐ろしいのです。

◆「肝臓病の種類と原因と治療法」のおススめ記事◆
　・ウイルス性肝炎 ≫ 主な原因
　　　［1］急性肝炎　　［2］慢性肝炎　　［3］劇症肝炎
　　　各肝炎の特徴�@A型　�AB型　�BC型　�CD型E型
　・肝硬変　・脂肪肝　・肝ガン　・薬物性肝障害
　・アルコール性肝障害
　　　�@ アルコール性脂肪肝　　�A アルコール性肝線維症
　　　�B アルコール性肝炎　　　 �C アルコール性肝硬変
　・自己免疫性肝障害
　　　�@ 自己免疫性肝炎　　　　 �A 原発性胆汁性肝硬変

◆「肝臓病の合併症の種類」のおススめ記事◆
　・腎臓病　　　　　　　 ・心臓病　　　　　　 ・糖尿病
　・胃・十二指腸潰瘍　・胆のうの病気　　 ・甲状腺の病気

　　　　はてなに追加 　　 MyYahoo!に追加 　　　 Googleに追加

呼吸器・肺機能の症状と病気 　・咳（せき）と痰（たん） 　・乾いた咳（痰が絡まない咳） 　・湿った咳（痰の伴なう咳） 　・咳失神（せきしっしん） 　・痰が絡む 　・黄色い痰（半透明・緑・赤色の痰） 　・血痰（喫煙者の場合） 　・息切れ（呼吸困難） 　・喘鳴（ぜんめい） 　・いびき 　・肺ガン　 　・風邪症候群 　　　�@普通感冒　�Aｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞ 　　　�B急性気管支炎 　・肺炎　・気管支ぜんそく 　・間質性肺炎（肺線維症） 　・慢性閉塞性肺疾患（COPD） 　　　�@慢性気管支炎　�A肺気腫 　・気管支拡張症 　・肺結核 　・自然気胸 　・睡眠時無呼吸症候群 　・呼吸不全 　・肺塞栓症 　・肺水腫　・肺高血圧症

関節・筋肉の症状と病気 �@腰や背中の症状の病気 　・腰が痛い 　・背中が痛い 　・背骨が曲がる（姿勢の異常） �A首や肩の症状の病気 　・首・肩こりが酷い 　・首・肩が痛い（動かせない） �B上半身・全身の症状の病気 　・腕が痛い（力が入らない） 　・手指が痛い（手足が痺れる） 　・手指がぎこちない 　・手足が脱力・麻痺する �C下半身・全身の症状の病気 　・脚が痛い 　・お尻から脚への放散痛・痺れ 　・歩きにくい（長く歩けない） 　・股関節が痛い（歩けない） 　・骨折しやすい �D膝・膝関節の症状の病気 　・動くと膝が痛い（可動時痛） 　・安静時も膝が痛い（安静時痛） 腰椎（腰痛症）の病気 頚椎・胸椎（背骨の首）の病気