アルコール性肝炎(アルコール性肝障害)
- 肝臓病の種類と原因と治療法
アルコール性肝炎の特徴と原因
「アルコール性肝炎」は、長期間にわたって酒を飲み続けてきた人が、限度を超えて急に大量の飲酒をしたようなときに起こります。その原因は、大量のアルコールによって肝細胞が直接ダメージを受けたためと考えられており、肝細胞に広範囲の壊死(エシ)が見られます。「アルコール性肝炎」は日本ではまれな病気でしたが、酒の飲み方も欧米並みになったためか、近年においてはよく見られるようになりました。
アルコール性肝炎の症状
アルコール性肝炎の症状は、自覚症状は比較的強く、ほかの急性肝炎と同じような症状(例を挙げますと、体のだるさ、食欲不振、吐き気、発熱など)が現れます。診察所見は、腹水(フクスイ)、黄疸(オウダン)、肝臓(カンゾウ)の腫大などが認められます。病状が進行すると、意識がぼんやりする、異常な行動をとるなどの意識障害や全身の出血傾向が現れ、さらに重症化すると、昏睡(コンスイ)状態に陥って死亡することもあります。
アルコール性肝炎の診断方法
血液検査では、GOT、GPT、ビリルビンの上昇がみられます。GOTはGPTに比べて高くなるのがアルコール性肝障害の特徴で、γ−GTPの上昇も重要な手がかりとなります。アルブミンの低下、プロトロンビン時間の延長は重症化を示すもので、肝機能が著しく低下していることを意味します。
アルコール性肝炎の治療方法
アルコール性肝炎の治療には禁酒が第一ですが、重症化している場合は入院し、症状に応じた治療が行われます。こうした肝炎を繰り返すと、「肝硬変(カンコウヘン)」に進行しやすいといわれているので注意が必要です。
≫次の記事「アルコール性肝障害:酒の暴飲を続けると肝臓病になる」へ
◆「肝臓病の種類と原因と治療法」のおススめ記事◆
・ウイルス性肝炎 ≫ 主な原因
[1]急性肝炎 [2]慢性肝炎 [3]劇症肝炎
各肝炎の特徴@A型 AB型 BC型 CD型E型
・肝硬変 ・脂肪肝 ・肝ガン ・薬物性肝障害
・アルコール性肝障害
@ アルコール性脂肪肝 A アルコール性肝線維症
B アルコール性肝炎 C アルコール性肝硬変
・自己免疫性肝障害
@ 自己免疫性肝炎 A 原発性胆汁性肝硬変
◆「肝臓病の合併症の種類」のおススめ記事◆
・腎臓病
・心臓病 ・糖尿病
・胃・十二指腸潰瘍 ・胆のうの病気
・甲状腺の病気
|