脂肪肝の特徴と原因:肝細胞内に脂肪滴が増加し、正常な肝機能を阻害
- 肝臓病の種類と原因と治療法
脂肪肝の特徴と原因:肝細胞内に脂肪滴が増加し、正常な肝機能を阻害
肝臓(カンゾウ)に脂肪がたまった状態を「脂肪肝(シボウカン)」と言います。普通の健康な人でも、肝細胞には数パーセント程度の脂肪がついていますが、何らかの原因で肝細胞の3分の1以上に脂肪のかたまり(このかたまりを「脂肪滴(シボウテキ)」と言います)が見られる場合に、脂肪肝と診断されます。
肝臓に沈着する脂肪は、ほとんどが中性脂肪です。ごくまれにコレステロールやリン脂質がたまる場合もありますが、めったにありません。脂肪肝自体はそれほど恐ろしいものではありませんが、肝細胞の中に脂肪滴が増えてくると、細胞にあるさまざまな小器官が圧迫され、正常な機能が妨げられます。
こうしたことに加えて、脂肪肝を起こす生活環境は、同時にいろいろな成人病(生活習慣病)を生みやすいので注意が必要です。
脂肪肝の原因のほとんどは、「アルコール」と「肥満」の2つの要因です。酒の飲みすぎで起こるのは「アルコール性脂肪肝」、過食による肥満で起こるのは「過栄養性脂肪肝」です。そのほか、きわめて少数ですが、ホルモン分泌(ブンピツ)の異常や代謝異常でも脂肪肝は起こります。また、薬物が原因となったり、妊娠に伴って起こることもあります。
主な種類・原因
- 過栄養性脂肪肝
:食べ過ぎによる栄養過多、肥満が原因の脂肪肝です。栄養の摂り過ぎによって脂肪酸が僧えて、中性脂肪が過剰に作られることによって起こります。
- アルコール性脂肪肝
:酒の飲み過ぎが原因の脂肪肝です。酒を飲み過ぎると肝臓はアルコール処理に追われてしまい、中性脂肪の処理に手が回らなくなります。
- 糖尿病性脂肪肝
:糖尿病によるインスリン(Insulin)不足で、体全体の代謝(タイシャ)が乱れるのが原因で起こる脂肪肝です。糖尿病でも肥満の人に脂肪肝が多くみられるので、過食や肥満も原因として挙げられます。
- ステロイド投与などによる脂肪肝
:脂肪の代謝に異常ガ起こるのが原因の脂肪肝です。脂肪酸が僧加し、中性脂防が過剰になることで起こります。
- 栄養障害性脂肪肝
:エイ勝訴のアンバランスが原因で起こる脂肪肝です。糖類や脂質は摂りすぎるくらいなのにもかかわらず、たんぱく質やビタミンが極舗に少ない場合に起こります。
- 急性妊娠脂肪肝:(原因は不明)
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