薬剤性肝障害の診断・治療法
- 肝臓病の種類と原因と治療法
薬剤性肝障害の特徴と原因
「薬剤性肝障害(ヤクザイセイカンショウガイ)」は、薬剤を飲んだことによって肝臓(カンゾウ)に障害が起こるものです。この薬剤性肝障害の種類は、肝細胞の破壊が主になる「肝細胞障害型」、肝細胞より胆汁を運ぶ胆管に障害が起こる「胆汁うっ滞型」、肝細胞障害型と胆汁うつ滞型の「混合型」の3つのタイプに分けられています。
しかしながら、実際のところ、この分類だけでは十分ではありません。肝臓(カンゾウ)にはいろいろな細胞が存在していますが、肝細胞だけに障害を与える薬剤もあれば、胆道系だけに影響を与える薬剤もあります。これに加え、血管系に影響を及ぼし、血管の閉塞をきたす薬剤もあります。そのほか、アルコール性肝炎や肉芽腫(ニクゲシュ)を形成するのもあり、実に多くの障害のタイプがあります。そのために、薬剤による障害の型で分類したほうが良いといわれています。代表的なものとして、薬剤の毒性による「中毒性肝障害」とアレルギーによる「アレルギー性肝障害」などが挙げられます。
薬剤性肝障害の症状
アレルギー性肝障害(薬剤性肝障害)の場合、多くは薬剤を飲み始めて1か月以内に発症します。「肝細胞障害型」の場合は、急性肝炎と同じような症状が、「胆汁うっ滞型」では、皮膚のかゆみや黄疸(オウダン:身体にビリルビンが過剰にあることによって眼球や皮膚といった組織や体液が黄色く染まる状態)が現れます。
薬剤性肝障害の診断方法
飲んだ薬剤の種類を知ることが、薬剤性肝障害の診断上の重要な手がかりになります。
薬剤性肝障害の治療方法
疑わしい薬剤の使用を中止するのが、薬剤性肝障害の治療の原則です。一般的に薬剤性肝障害は症状が軽く、薬を中止すればほとんどのものは回復します。
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