胃・十二指腸潰瘍(肝臓病の合併症)
- 肝臓病の合併症の種類
胃・十二指腸潰瘍(肝臓病の合併症)
肝硬変(カンコウヘン)では、胃や十二指腸にびらん(ただれ)ができやすくなります。肝硬変になると、門脈(モンミャク:肝臓に向かう門脈は特に『肝門脈』とも呼ばれ、消化管から吸収した栄養分を運ぶ補給路となる重要な血管)内の血圧が上昇するため、門脈に流れ込んでいる胃や十二指腸の血液の流れもスムーズでなくなります。そうなると、胃や十二指腸の粘膜の防衛力にも不都合が生じ、充血したり、胃炎などができやすくなるのではないかと考えられています。胃炎などでは出血することもあり、吐血や下血がみられますが、この場合、肝硬変が進行してできる胃や食道の静脈瘤(ジョウミャクリュウ)からの出血かどうかを見分けることが重要です。
関連している胃腸の病気に関して、簡単に解説していきましょう。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃から分泌(ブンピツ)される非常に強力な胃液などの消化作用によって、胃や十二指腸の粘膜が生涯されて起こるのです。だから、これらをまとめて「消化性潰瘍」と呼んでおります。この消化性潰瘍は、消化器のある部分の組織が欠落したものなのですが、そうしたものが消化器の粘膜内にとどまっている状態のものを「びらん」と言い、粘膜金板よりも深くまで及んでいる状態のものを「潰瘍(カイヨウ)」と呼んでおります。こうした消化性潰瘍の典型的な症状は、空腹時の腹痛や背部痛です。これに加え、胸やけやゲップ、呑酸(ドンサン)なども見られます。また、消化性潰瘍の三大合併症としては、「出血」「穿孔(消化器に穴が開く)」「幽門狭窄(ユウモンキョウサク)」の三つです。
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