ウイルス性肝炎:日本の肝臓病の8割がウイルス性の肝臓病
- 肝臓病の種類と原因と治療法
ウイルス性肝炎:日本の肝臓病の8割がウイルス性の肝臓病
ガン、心臓病、脳卒中に次ぐといわれている肝臓病。原因は様々にあるのですが、日本に多いのは、ウイルス性の肝臓病です。
今現在、判明している肝炎ウイルスは6種類
肝臓病の原因で何がいちばん多いかは、国や地域によって違います。例を挙げますと、アメリカや西欧の先進国などではアルコールが原因の大半を占めています。しかしながら、東南アジアやアフリカではウイルスが最大の原因になっています。日本の場合は、ウイルスによるものが肝臓病全体の8割を占めており、残り2割の大部分の原因がアルコールによるものです。
そして、今現在わかっている肝炎ウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型、G型の6種類です。以前から知られていたのはA型、B型、D型で、それに加えて1988年にC型、90年にE型、95年にはG型と、新しいタイプの肝炎(カンエン)が次々に見つかっています。とは言いつつも、日本人にとても多いウイルス性肝炎は、A型、B型、C型の3種類だけです。
感染
経路 |
ウイルス |
潜伏
期間 |
キャリア |
慢性化 |
特徴 |
経口感染 |
A型
(HAV) |
2〜6週 |
なし |
なし |
海外での感染が多く、海外旅行者が感染してくる肝炎の80% |
E型
(HEV) |
2〜9週 |
なし |
なし |
ネパールやインド、アフリカを中心に発生。日本では非常にまれ |
血液感染 |
B型
(HBV) |
1〜6ヵ月 |
あり |
あり |
成人してからの感染では、特別なケースを除いて一過性の急性肝炎で治る。キャリアの人が発症すると慢性化することがある |
C型
(HCV) |
2〜16週 |
あり |
あり |
ウイルス自体の感染力lま弱いので、母子感染、性行為感染は少ない。C型急性肝炎の人の6〜8 割は慢性肝炎に移行している |
D型
(HDV) |
1〜6ヵ月 |
あり |
あり |
単独では発症しないで、B型肝炎ウイルスと同時感染するか、B型肝炎キャリ戸に感染する。日本では非常にまれ |
- 【参考】「G型肝炎ウイルス=アメリカで発見された最新のウイルス」について:G型肝炎ウイルスは、1995年にアメリカで発見された肝臓病のウイルスで、「フラビウイルス」という種類の一種です。今現在、肝障害との関係について非常に様々な研究が行われていいます。近い将来においては、その詳細が明らかになるであろうと予想されております。
感染経路には、経口感染と血液感染の2種類
ウイルス性肝炎の感染経路は、ウイルスの種類によって異なります。A型とE型は「経口感染(ウイルスに感染した動物由来の肉や、糞便で汚染された水などの経口摂取などからの感染)」で、B型、C型、D型は「血液感染(注射や輸血、歯科治療といった医療行為の他、外傷による出血が目など粘膜に触れるなどの感染)」です。
ウイルス性肝炎の場合、「経口感染」というのは、食べ物や飲み物を介して感染するものです。水源がウイルスで汚染されていたりすると、肝炎(カンエン)が大流行することがあります。また、「血液感染」は、血液や体液を介して感染するものです。輸血、性行為、あるいは母子感染、入れ墨、覚醒剤の注射針による感染などが、主な経路です。
ウイルス性肝炎のB型とC型のウイルスを比較した場合、感染力はC型のほうが弱く、母子感染や性行為感染はごく少数です。感染原因がハッキリとしないものも少なくありません。
- 【参考】「母子感染(垂直感染)」とは:ご周知のとおり出産に出血はつきものなのですが、生まれる際に、赤ちゃんが通る産道で母親の血液に触れるごとによってウイルスに感染することを『母子感染』いと言います。感染者が親から子へと『タテ』に広がっていくことから、「垂直感染(スイチョクカンセン)」と呼ばれることもあります。
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