肝臓の位置と形態:右上腹部に位置する人体内の最大の臓器
- 肝臓の仕組みと役割の特徴
肝臓の位置と形態:右上腹部に位置する人体内の最大の臓器
肝臓の病気を理解するためには、まず肝臓(カンゾウ)という臓器そのものについて知っておく必要があります。肝臓は、人閣の体の中で最も大きな臓器です。人間の前側から見ると、形状はほぼ直角三角形、重さは成人男性で約1.5キロ、女性で約1.3キロもあります。
正常な肝臓は、赤褐色で表面はなめらか
肝臓(カンゾウ)は、右上腹部の肋骨(ロッコツ)の内側に位置し、靭帯(ジンタイ)というヒモのような組織によって横隔膜(オウカクマク)に固定されています。そのため、呼吸をして横隔膜が上下に動くと、それに伴って肝臓も同じように動きます。患者さんご自身で腹部にさわっても、なかなか肝臓に触れることはできませんが、担当の専門医は、呼吸によるこうした動きを利用して、おなかの上から肝臓を触知します。肝臓は右葉(ウヨウ)と左葉(サヨウ)の2つに分けられますが、肉眼ではっきりと区別がつくわけではありません。見た限りでは、肝臓は一つの大きなかたまりなのです。正常な肝臓の色は鮮やかな赤褐色で、表面はとてもなめらかにできております。
全血液量の1割以上が肝臓に蓄えられている
肝臓(カンゾウ)は赤褐色をしていると上で述べましたが、それは、肝臓が多量の血液を含んだ臓器であることを意味しております。どの程度多量であるのかというと、人間の体全体の血液量の実に10〜14パーセントにも相当します。このような点を勘案すると、交通事故などで身体に強い衝撃を受けた場合、肝臓内の組織が破裂して大出血を起こしてしまいます。外傷がまったく無い場合であっても、体内で大量に出血している場合もあり、いずれにしても非常に大変なことになります。それでは、なぜそんなにたくさんの血液が肝臓に蓄えられているのでしょうか。それは、肝臓の働きと関係しています。当サイトの次のページでは、まず肝臓の仕組みについて、詳しく説明していきましょう。
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